会計士の個人ブログ

上場企業ではなく非上場企業に転職した理由

監査法人である程度働いた会計士はこのまま監査法人に残り続けるか、転職するかの意思決定をすることになる。転職する場合、上場企業の経理部に転職するパターンが自分の周りでは一番多い。

上場企業は複雑な会計基準に準拠した会計処理を行わなければならないため上場企業の経理という仕事は、会計士という職業との親和性が高い。また、監査法人とのやり取りも自分たちが今まで監査をしていたことからスムーズに行うことができる。

ただねぇ・・・、自分は監査のために上場企業におじゃましていた時に上場企業の経理はつまらなく見えた。上場企業って規模も大きいから一人で全部の勘定科目はできない。どうしても分業化されることになり、担当の科目が割り当てられる。たとえば、有価証券と固定資産の担当になったら数年はこれらの科目しかやらないと思う。そして、割り当てられた勘定科目について高度な会計基準に則った複雑な計算をひたすらするわけである。さらに監査の時には自分より若い会計士から質問や資料依頼、指摘を受けるわけである。

また、全社的な分析などの全般業務は経理課長、経理部長あたりがやることになっているだろうし、とてもじゃないけど会社を全般的な目で見る視点をすぐに養うことはできないだろうなと思ったわけである。

かくして自分は非上場の中小企業に転職した。経理部は女性が3名だけで経理課長も経理部長もいない。自分の直属の上司は60代後半の会長と40代前半の社長であった。経営者との距離が近いとやっぱり面白い。経理部の人員の少なさゆえに単調な仕事(たとえば手形発行ソフトの設定とか)も自分しかやる人はいなかったが、それ以上に予算の策定や月1回の役員会への報告、海外子会社の管理など、上場企業の経理部ではすぐにはできない仕事をすることができた。

ただし上場企業に比べると給与水準は高くないし休日も少ない。福利厚生も上場企業には遠く及ばない。会計士の余剰が解消しつつある今、あえて中小企業に行く会計士もほとんどいないだろうけど、全般的な業務をしたいのであれば中小企業もアリかもしれない。ただ、ずっといる所でもないなぁと思う。自分も独立したいと思い、やめちゃったからね。でも、すごく良い経験を積ませてもらったと思っているし、独立が軌道に乗ったらその会社に恩返しをしたいと思っている。

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