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経費にできるラインとは?──迷いやすい支出の考え方

■ 経費判断は「必要性」と「客観性」がカギ

個人事業主にとって、経費にできるかどうかは大きな関心事です。しかし、実務上は「収入を得るために必要だったのか」という抽象的な基準が中心であり、白黒がはっきりしにくいものでもあります。

特に飲食費や日用品のように、私生活と仕事が混ざりやすい支出は、税務署も会計事務所も慎重に見ます。
理由は単純で、“プライベートと事業を区別できているか” がその人の申告姿勢として表れるからです。

■ 領収書の種類と「ツッコまれやすさ」

飲食店の領収書が多いケースでは、頻度・金額・店の種類がポイントになります。
同じ店に高頻度で行っている、回転寿司や食べ放題など家族利用が想像される場所が多い──こうした要素があると、「業務関連なのか?」と疑われやすくなります。

さらに、明細がない領収書は用途が見えにくく、人数や目的の記録がない場合は、説明の根拠が弱くなり、経費性が薄く判断されがちです。

■ 家族関連の支出は特に注意

家族との食事、子どものメニュー、美容室代、ゲーム代などは、税務職員の目からすればプライベート色が非常に強い分野です。
「実際に事業主が支払った」だけでは経費と認められず、「誰のための支払いなのか」が強く問われます。

特に個人事業主は生活と事業が地続きになりやすいため、意識して線引きをする必要があります。

■ 税務署は“行動の背景”を見る

税務署は単に領収書の枚数を見るのではなく、「常識的に見て事業のためと言えるのか」という視点で判断します。
そのため、

  • 誰と

  • なぜ

  • どのような目的で
    その支出をしたのか、説明できるようにしておくことが重要です。

これは“疑われるから避ける”という話ではなく、事業活動を客観的に示すための最低限の管理とも言えます。

■ 経費にできるか迷ったらどう考えるか

最終的には、次の問いに答えられるかどうかが判断基準になります。

「この支出が収入につながると説明できるか?」
「第三者が聞いても無理のない理由になっているか?」

曖昧な支出ほど、明細やメモで“事実を残すこと”が、後々の防御力につながります。

■ まとめ:経費は幅広く認められ得るものの、慎重な線引きが不可欠

経費の計上の範囲は無条件に広がっているわけではありません。特に個人事業主の場合、生活費と事業費が混在しやすいため、第三者が客観的に見ても事業関連性が明確に判断できるかどうかが重要になります。

飲食費や日用品など、私的利用の余地が大きい支出は、説明責任がより重く求められる分野です。「事業に必要だった」という主張だけでは不十分で、目的・相手先・状況を具体的に示せる記録がなければ、経費と認められにくくなります。

結局のところ、経費かどうかは“関連性の明確さ”と“説明できる状態にあるか”が判断の基準になります。曖昧な支出ほど慎重に扱い、必要な根拠を整えておくことが、安全で実務的な申告につながります。

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