会計士の個人ブログ

公認会計士試験に合格するための勉強法

はじめに

公認会計士試験は難関試験と称されていますが、その理由としまして合格率の低さ( 2019年度で10.7%、私が合格した2006年度は8%でした )もありますが、受験者のレベルの高さも理由の1つに挙げられます。

公認会計士試験ではどの大学の人が合格しているかは、慶応義塾大学のOBで構成されている「公認会計士三田会」のサイトが参考になります。

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1970年(昭和45年)から2018年(平成30年)まで毎年の大学別合格者数ランキングが記載されていますが、この48年間、1位は慶応義塾大学、2位は早稲田大学で推移していることが分かります。また、3位以降につきましても、中央大学などのMARCH、関関同立、さらには東京大学、京都大学といった日本最高峰の大学までもがランキングされています。

仮に公認会計士試験の合格率が1%だったとしても自分以外の受験者が小学生であれば合格は容易なものとなりますが、残念ながら公認会計士試験の受験者は大学受験を勝ち抜いてきた難関大学の在籍者、出身者で主に占められており、この母集団の中で合格率10%、つまり10人に1人になることは容易ではないことがうかがえます。

私の場合、大学受験につきましては失敗組であり、上記のような難関大学の出身ではありません。高校時代は結構、自堕落に過ごしておりました。このことは公認会計士試験のような一般的な試験の勉強方法を確立できていないことを意味しています。

そのため、公認会計士試験では4回目でやっと合格しました。
具体的な受験の経歴は次のとおりです。

筆者の受験経歴

2003年:短答 不合格
2004年:短答 合格、論文不合格 (A判定)
2005年:短答 合格、論文不合格( C判定) ←なぜか後退
2006年:最終合格

2005年の段階では論文試験の判定も「C判定」で合格からは程遠い状態だったのですが、さすがに2004年の「A判定」から2005年の「C判定」への後退はショックが大きく、数日間は食欲もなく、将来の不安から夜も眠れず、1週間で体重が 5kg 減りました。

そこで次の2006年の受験を最後とし合格できなければあきらめることにし、必死で勉強することにしました。その過程で行ったことが、これから記載する勉強方法です。

私は最終的にこの方法で合格できましたが、これらの勉強方法は多大な時間を要するものであり、上記に記載した難関大学の人たちからすれば、このような勉強方法には無駄が多く、意味がないと思われるかもしれません。よって、これらの勉強方法については自分に有用であると思われるところだけを参考にしていただき、全てを模倣する必要はないと思います。

 

1. 忘却曲線を考慮した復習

財務諸表論や監査論、会社法などの理論科目において何度テキストを読んでも頭に入らない、覚えられないということは多々あります。また、簿記や管理会計において、同じところを何度も間違えるということも然りです。

結局、テキストを読んだり、問題を解いても次の日には忘れてしまうことになるわけですが、これは科学的にも考察されており、いわゆる「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれております。

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上記のWikipedaから抜粋したものが次のグラフです。


出典:Wikipedia

このグラフから分かるとおり、今日記憶したことの半分以上は翌日には忘れています。
よって、最初の復習のタイミングは翌日が最も効率的であることになります。

私の場合、次のルールで復習のタイミングを決めていました。

筆者が採った復習のタイミング

当日に勉強した翌日に復習する。
翌日に復習したら、さらに3日後に復習する。
3日後に復習したら、さらに1週間後に復習する。
1週間後に復習したら、さらに2週間後に復習する。
2週間後に復習したら、さらに1か月後に復習する。

上記のルール上で覚えられていない項目や計算問題で間違えたものはリセットして再び、翌日からの復習をする。

あとは、この復習のタイミングをどのように管理するかが問題となりますが、これについては手帳の週間カレンダーを使うことをおすすめします。

たとえば、次のような手帳の週間カレンダーがあるとします。

ここで4月6日(月)に基礎答練1回目を解き、財務諸表論のテキストの1ページ~50ページを読んだとします。
上記の復習のタイミングより、1回目の復習は翌日(4月7日)ですので、手帳の4月7日(火)の欄に「基礎答練1回目 (1)」「財表 P1~P50 (1)」と記入します。末尾の(1)は復習の回数であり、今回は1回目であることを示しています。

翌日の4月7日(火)に手帳を見ることで、その日に復習すべきことが分かります。
今回の場合、昨日の4月6日(月)に勉強した「基礎答練1回目 (1)」「財表 P1~P50 (1)」の記入がありますので、この復習を行います。

1回目の復習が終わりましたら、2回目の復習はさらに3日後ということですので、3日後の4月10日(金)の欄に「基礎答練1回目 (2)」「財表 P1~P50 (2)」と記入します。2回目の復習ですので末尾の数字は(2)と記入します。また、その日に行った項目は完了したことが分かるように線で消します。

さらに4月7日(火)に新たに「基礎答練2回目」を解き、財務諸表論のテキストの51ページ~100ページを読んだとします。
4月6日(月)と同じように1回目の復習のタイミングは翌日ですので、翌日の4月8日(水)の欄に「基礎答練2回目 (1)」と「財表 P51~P100 (1)」を記入します。

この流れを繰り返していきます。
手帳を見ることでその日に復習すべき項目が分かりますので、あとは粛々と手帳に記載されているその日の復習を行うことになります。

また、計算問題の場合、間違えた場合には再び1回目からの復習として、やり直していました。
さらに日によっては復習の項目が多く、全ての復習をその日に行うことができない場合があります。その場合には、末尾の数字が若い項目を優先的にやりましょう。「エビングハウスの忘却曲線」より、5回目や6回目の復習より1回目や2回目の復習を優先して行うべきだからです。

 

2. 講師が話したことの口述筆記

公認会計士試験の受験生の方はみなさん、TACや大原などの受験予備校の授業を受けていらっしゃると思います。私も受験時代はTACの2年本科の通学講座、AXL( アクセルと読みます。今は廃校のようです )の通信講座を受けておりました。

受験予備校ではプロの講師がそろっており、授業はとても分かりやすかったのですが、高校・大学と勉強を離れて遊び惚けていた自分には、授業を1回受講しただけでは理解できないことも多々ありました。特に原価計算がよく分からず、せっかくプロの講師の授業を受けても翌日にはよく分からない状態で問題も解けず問題の解答や解説を見ても、よく分からない状態が続きました。

そこで当時、TACの通学講座を受けておりましたので、授業の内容をテープレコーダーで録音することにしました。しかしながら私の場合、この録音の内容を聞き返しても頭に入らなかったため、講師が話した内容をテキストに書き込むことにしました。

イメージは次のような感じです。

テキストのページのうち、講師が解説している箇所や行に数字を付して、上の画像のようにそのページの下の余白部分に講師が話した内容を書いていきます。よく書籍に記載されている(*1)や(注1)をテキストに追記していく感じです。

また、ページによっては余白が少ないこともありますので、その場合には余白が多い別のページに講師が話した内容を記載し、参照できるようにページ数を記載していました。ようするにクロスリファレンスをするということです。

以上のように講師が話した内容を口述筆記することで、私の場合、難解な原価計算の内容を理解することができました。

ただし、この方法、非常に時間を要しますので、人によっては苦手な科目や項目に絞って行った方がいいと思います。また、授業を録音した内容を倍速で何回も聞く方が理解が進むという人もいらっしゃると思います。

 

3. ICレコーダーを使った記憶

公認会計士試験のような難関試験に合格するためには受験予備校のテキストを何度も読み込んで内容を頭に叩き込む必要があります。

私の場合、最初は黙読でテキストを読んでいたのですが、黙読で読んでいても、よく分からない箇所は読み飛ばしていたり、字面をただなぞっているだけの読み方となってしまい、内容があまり頭に入っていない状態でした。

そこで音読でテキストを読むことにしたのですが、1週間もしないうちにのどが痛くなってしまい、早々に別の手段を考える必要が生じました。

別の手段を考えた結果、ICレコーダーでテキストの音読内容を録音し、その内容を最初は1.5倍速で聞き、慣れてきたら2倍速あるいはそれ以上の倍速で聞くことにしました。
具体的には、ICレコーダーの音声を倍速再生で聞きながら、テキストを読んでいきます。黙読では流し読みしてしまいがちな所も、ICレコーダーによる音声情報のインプットとテキストを見るという視覚情報を同時にすることで、強制的に脳に刻み込むことができました。

また、テキストの音読内容を録音するときは、上記の「講師が話した内容を口述筆記した箇所」も一緒に録音していました。


ソニーのICD-UX560F
3倍速再生まで対応していますので、おすすめです。

 

4. 通信講座での受講

通学講座の方が大半だと思いますが、個人的には通信講座の方が効率的に勉強ができるように思います。
理由は次のとおりです。

1.通学時間が不要
純粋に移動時間は無駄だと思います。その時間を勉強に充てる方が良いのでは と個人的には思います。

2.倍速再生による受講が可能
インターネットによる受講でも倍速再生のメニューがあります。私もAXLの講座は通信で受講し、DVDを1.5倍速で聴いていました。

 

さいごに

以上が当時の私が採った勉強方法ですが、万人に当てはまる方法とは思っておらず、勉強方法なんていうものは人によって異なり千差万別だと思っております。
少しでも現在の受験生にお役に立てることを思いつつ、今回の記事を挙げさせていただきたいと思います。

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