公認会計士のブログ

セグメント別・部門別会計の導入のすすめ

会社や事業の規模がある程度大きくなったり、扱う商品の種類や事業分野が多くなってきますと、全社の数字だけでは会社や事業の状況が把握しづらくなってきます。
そこで、社内の部門ごと、商品のカテゴリごと、営業所ごとなどのセグメントごとに金額を分けると状況が分かりやすくなります。

細かく分けると分かりやすくなる

次の図を見てください。

会社全体で見ると粗利が400万円、粗利率が16%となっており、問題はないように見えます。しかし、これを商品カテゴリ別に金額を分けると、中型部品の赤字を大型部品と小型部品がカバーしている現状が見えてきます。中型部品については得意先と交渉して値上げをするか、撤退を検討するか、何らかの対策を講じる必要があることがセグメント別に金額を分けることで分かるようになるのです。

セグメント別・部門別会計の導入方法

もっとも、今まで会社全体でしか記帳していなかった金額を商品カテゴリや事業、営業所ごとに分けるには、記帳=会計システムへの入力の段階で商品カテゴリや事業、営業所ごとに分けて入力しないといけません。これを一気にやるのは大変ですので次のように段階を分けて少しずつやっていくのがよいと思います。

第1段階 売上を部門別に分ける

まず、売上をそれぞれのセグメント(部門別、商品別、営業所別)に分けます。そして会計システムへの入力の際にも後でセグメント別に集計ができるように分けて入力します。

第2段階 売上原価、在庫を部門別に分ける

次の段階として仕入をそれぞれのセグメントに分けて会計システムや購買システムに入力します。在庫についてもセグメントごとの金額が分かるように入力します。
ここまですれば、各セグメントの粗利や粗利率が分かりますので経営判断にとって非常に有用な情報になります。

第3段階 販管費を部門別に分ける

第2段階まででも十分なのですが可能であれば、給与や水道光熱費、賃借料などの販売費や一般管理費もセグメント別に分けると、それぞれの営業利益まで分かるようになります。これはいわば一つのセグメントをあたかも一つの会社のように見るということです。

このように分けることで会社や事業の実態がさらに見えるようになるのです。

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